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『中国ビジネスはネーミングで決まる』莫邦富(平凡社新書)

中国ビジネスはネーミングで決まる


『中国ビジネスはネーミングで決まる』莫邦富(平凡社新書)

中国出身のジャーナリストによる中国におけるネーミングの話。

社名やブランド名の中国語表現に積極的な欧米企業に比べて、日本企業は日本語による発音や日本語流の表現に頑なにこだわる傾向があるという。漢字という共通の文字を使っていることが、逆に日本ブランドの中国語化を妨げているのだ。本来、社名やブランド名は、地元の消費者の心に効果的に迫るための手段であるはずだが、日本企業の場合には自己顕示欲を満たすための存在に陥っているという。

欧米企業が中国化を積極的に進めているのは、中国人の多くがローマ字を読めないことを知っているからだ。しかし、日本企業には英文社名や商品名をそのまま使っている企業が少なくない。それどころか、工場内に日本語のスローガンを掲示したり、日本語の壁新聞を貼っている会社もある。

上海に出店しているある百貨店は、数年前に「ありがとう10周年」と日本語でかかれた横断幕を店内に掲げたという。それを著者が指摘したところ、「あれは中国人スタッフが作った」とわざわざ伝えてきたので、著者が意見交換をしようとアドバイスを申し入れたところ、「企業戦略に関わる問題」と一蹴したらしい。何と愚かな。

また、あるスーパーはバーゲンセールの際に「大割引」と書いた赤い札を店内に7年間も下げていた。中国人には全く理解不能な単語なのに。味噌湯や茶椀蒸といった中国人には全く意味不明の料理名をメニューに載せている外食産業もあるという。

数年前から、中国では伝統文化や民俗文化への回帰現象が起こっており、中華モチーフが台頭している。製品名を中国人なら誰でも知っているような古い詩から言葉を採った消費材が増えたり、河南省洛陽郊外の旧跡竜門石窟に掲げられていた政治スローガンが消えて、『論語』や『詩経』など「四書五経」から採った言葉が掲げられている。

また、中国ではインターネットのドメイン名が「中国語.cn」が急速に増えているという。マイクロソフトが、2006年に「中文.cn」をOSで支援すると発表し、IE7.0は海賊版OSでもダウンロードできるようにしたことが、さらに普及を加速することになっている。

自国が世界の中心だと臆面もなく国名にしたエスノセントリズムの国だから、中国でビジネスを展開する企業は、今後はますます漢語の社名やブランド名を選択せざるを得なくなるだろう。

著者によれば、中国語ネーミングの手法は次の3つ。
(1)中国語読みしたときの発音が言語の発音に近く、かつ中国語としての意味をもっている。
(2)意味は関係なく発音が言語に合っている。
(3)発音にこだわらず意味をもたせている。

もちろん、理想的なのは(1)。おいしくて楽しいという意味のある可口可楽(コカ・コーラ、中国語発音はクーコウクーラー)が有名だが、ベンツの中国語ネーミングである奔馳(ベンチー)も疾走するという意味がある。また、日本の三得利(サントリー)や馬自達(マツダ)も優れているという。

手紙という単語は中国ではトイレットペーパーを意味するのは有名だが、日本と中国では全く違った意味になる単語もある。さらに、中国と日本では文化の違いも少なくない。文化の違いを充分に把握した上でネーミングを考えなければならないのだ。

著者はジャーナリストだが、かなり以前から外国企業が中国に進出した際に、社名やブランド名の中国語化をいかに展開するかを注目し、新聞紙上で日本企業に苦言を呈してきたという。本書を書いたことで、中国語ネーミングのアドバイザーやコンサルタントとしての仕事がますます増えることになるだろう。

本書は、中国におけるネーミング戦略のありかたというビジネス書であるとともに、異文化コミュニケーションにおける問題の紹介、そして著者の業務の宣伝という一石三鳥の本である。充分に面白かったから満足なのだけど。

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