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昼食難民の新書生活

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『日本は世界5位の農業大国―大嘘だらけの食料自給率』浅川芳裕(講談社+α新書 503-1C)

日本は世界5位の農業大国

『日本は世界5位の農業大国―大嘘だらけの食料自給率浅川芳裕(講談社+α新書 503-1C)

本書は、日本の農業を牽引すべき農林水産省が、カロリーベースの「食料自給率」を錦の御旗に省益と天下り先の利益を追求し、農家や国民を苦しめている実態を描いている。

1993年の冷夏による米不足の際に、インディカ種の長粒米がタイから輸入されたが、食べ慣れないことや日本の炊飯器ではうまく炊けないこともあって不評だった。しかし、私は何度も訪れているタイで、1人分50円以下から1000円以上までさまざまなレベルの飲食店でタイ米を食べたことがあるが、あの時のタイ米ほどまずいものを食べたことがなかったので不思議に思っていた。タイは日本と同じように米が主食の国である。長粒米と短粒米の違いはあるが、誰もが美味しいご飯を食べたいという欲求を持っており、まずいご飯を出す飲食店では成り立たないし、農家が美味しい米を作ろうと考えるのは同じだ。

まずいまずいと言われたタイ米騒動の中で、農水省の輸入担当者が驚くべき発言をした。「輸入したタイ米は工業用だった」という信じ難い発言だった。「タイ米を日本人がご飯として食べることは想定していなかった」という無責任極まりない発言だった。しかも、工業用の屑米を数倍の高値で大量に輸入したため、タイでは米価の高騰でパニックになったという。

「食料自給率」という言葉が国家安全保障の問題として俎上に上るようになったのは最近のことである。1999年に「食料・農業・農村基本法」が成立してからだ。

そもそも日本以外の国でカロリーベースの食料自給率を問題にしている国はないらしい。食料は国家安全保障にかかわるとするのは、何等かの理由で輸入がストップした際には、国民を飢えさせる可能性があり、食料を恫喝の手段として外交カードに使われるかもしれない、という前提に立った議論である。

小麦の90%を輸入に頼るわが国では、万が一、小麦の輸入がストップしたらパンやうどんは食べられなくなるかもしれない。しかし、そうした国際的な孤立に陥るような事態になったら、ほぼ100%を輸入に頼る石油は日本に入ってこなくなる。日本の農業は石油なしには成り立たないが、石油の備蓄は半年分ほどしかないのだから、たちまち国家存亡の危機に瀕することは明らかである。それに、農業生産に必要なリン酸肥料やカリ肥料は、自給率ゼロだという。輸入飼料に頼っている豚肉や鶏肉が自給率ゼロならば、農業産物の自給率も限りなくゼロに近いことになる。

本書では、食料自給率をキーワードに詭弁と嘘で統制経済を続ける馬鹿げた農政の数々を暴いていく。読んでいて怒りを通り越して絶望的になるほどだ。

「第五章 こうすればもっと強くなる日本の農業」では、農林省の嘘や無策の数々を批判しているだけではなく、具体的で実現可能な「日本農業成長八策」を提言している。

 1.民間版・市民(レンタル)農園の整備
 2.農家による作物別全国組合の設立
 3.科学技術に立脚した農業ビジネス振興
 4.輸出の促進
 5.検疫体制の強化
 6.農業の国際交渉ができる人材の育成または採用
 7.若手農家の海外研修制度の拡充
 8.海外農場の進出支援

どれも、日本の農業だけでなく日本人の食生活を危うくするばかりの馬鹿げた農水省の予算のごく一部を振り分ければ容易に実現できる政策である。

これらの政策にどれほどの効果があるかは不明だが、農水省OBに1000万円を超える年収を与えるだけの無駄な公益法人に税金を投入するよりは有益なことだけは確かだろう。

本書を読んで暗澹たる気分になるのは私だけではないだろう。わが国の農政は、その元凶たる農林水産省によって腐りきっていることが次々と明らかにされているからだ。

このブログで木村秋則氏の『リンゴが教えてくれたこと』を紹介したところ、農水省ドメイン(maff.go.jp)からアクセスがたまに来るようになった。農水省にも木村氏の言動を気にする人が少しはいるらしい。

しかし、本書で明らかにされているように、「食」という国民の命に直接かかわる行政を担当しているにも関わらず、農水省の役人たちは税金を収奪することしか考えていない盗人集団である。

政治家は何をしているんだ、とコブシを振り上げたところで、民主党は自由民主党がやってきた農民を愚弄する政策を受け継ぐばかりか、趣味的に農業を続けているに過ぎない兼業農家にまで税金をばらまく農業者戸別所得補償制度という愚策を実行しようとしている。

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