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『粘菌―その驚くべき知性』中垣俊之(PHPサイエンス・ワールド新書 019)

粘菌 その驚くべき知性



『粘菌―その驚くべき知性中垣俊之(PHPサイエンス・ワールド新書 019)


変形菌(粘菌)は、胞子によって繁殖する植物的な性質と餌を求めて移動する動物的な性質を持つ不思議な生物である。驚異的な記憶力で博物学者となった南方熊楠は、粘菌の魅力に取り憑かれ数百種に及ぶ粘菌を紹介した本を残している。

著者たちのグループは、粘菌が迷路を解いたとする研究で2008年のイグ・ノーベル賞を受賞している。

粘菌が迷路を解いたというのは、30センチ四方の迷路(経路は4つ)に1センチほどの長さの粘菌を配置し、出口と入り口に餌をおいたときに、粘菌から伸びた管が4つの経路のうち最短の経路でつながったというものである。粘菌から伸びる管は血管や神経線維のように、栄養を流すとともに情報を伝達する働きがある。「迷路を解いた」と呼ぶのは粘菌を「生存タスク実行機械」として見ているからである。

それぞれの管は自分のところの流れにだけ反応して、身勝手に太さを変えているだけなのに、全体にわたる最短経路が求められたという。粘菌の管では、各々が自律的に行動し司令官なしに、全体としてうまく行く「自律分散方式」が採られている。自律とはいっても、全体の流量が一定であれば、それぞれの管は間接的に影響を及ぼしあっていることになる。こうして著者たちは、モデル化によって粘菌の危険度最小経路探索や多目的最適化手法を明らかにしていく。さらに、周期変動の予測や想起、逡巡といった「知性」があるといしか思えないような行動を数理的なモデルで解明している。

「知性」という言葉を、単なる比喩ではなく粘菌の行動から使っているのだが、人間だけが神から「知性」を与えられた生物であると教えられるキリスト教徒には違和感があるらしい。著者が、スイス人科学者に知性は日本語では「knowingness」という意味だと説明したところ、「intelligence」ではないことに不思議がられたという。

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