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昼食難民の新書生活

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『異常とは何か』小俣和一郎(講談社現代新書 2049)

異常とは何か


『異常とは何か』小俣和一郎(講談社現代新書 2049)

本書は、「異常とは何か?」という精神医学が常に直面してきたテーマの答えを探ろうという試み。

『広辞苑』によると、【異常】は「普通とはちがうこと。また、理想的な状態や好ましい状態よりも劣っていること。←→正常。」とある。そして【正常】は「他と変ったところがなく普通であること。なみ。あたりまえ。「―値」←→異常。」となっている。

異常と正常の違いは「普通かどうか」という点にある。序章と第一章で著者が書いているように、絶対的な「普通」などないから、異常と正常は時代によって倒置することがあるのは当然のことだ。

「第二章 異常と臨床」では、異常と正常というテーマから離れてから日本における自殺の問題にページが割かれている。年間の自殺者が3万人を超え、ハンガリーに次いで世界第2位になったことから、自殺者を減らす国策が制定されたことに対する反論である。

確かに、自殺者の何割かはうつ病かもしれないが、うつ病患者に投薬治療をすることで自殺者が減少すると考えている精神科医は少ない。

しかし、ここで著者はフェアではない論を展開する。「自殺者=うつ病」という誰も主張していない極論を、あたかも政府や製薬会社、投薬によるうつ病治療を実施している医師たちが主張しているかのようにして、反論しているのだ。論敵の主張を敢えて曲解し、極論化して論理的に破綻しているかのような批判は、著者の知性だけでなく品性を疑わせる。

果たして本書は、どこまで「異常」を解明することに成功しているのだろうか。そもそも「異常」を厳密に定義しようとしても、数値化できないために「過剰態ではないこと」という程度でしかないのだから、帯に書かれているような「〈異常〉と〈正常〉の境界はどこか?」は明らかにならないのは明らかだ。それでも、精神科医は「異常」に向き合わなければならないのだ。

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