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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)

ジャーナリズム崩壊

『ジャーナリズム崩壊』上杉隆(幻冬舎新書)

「崩壊」と断罪されている「ジャーナリズム」とは、日本の新聞・テレビのことである。著者が世界文化遺産に申請せよと批判する「記者クラブ」という日本独自の制度による護送船団方式で、特ダネもなければ特オチもない仲良しクラブでありながら、既得権益を守るためにフリージャーナリストや海外メディアを閉め出しているからだ。記者クラブに所属できないフリージャーナリストや外国メディアが首相の単独インタビューを行うには、首相のOKはもちろんだが、首相官邸記者クラブの承認が必要なのだという。担当する政治家が出世すれば自らも出世するような新聞社の人事制度、ぶら下がりなどのメモを見せ合う「メモ合わせ」など、日本の新聞やテレビは世界中から笑われるような状態だという。新聞・テレビは、もはや政府の広報機関として政府発表を伝達する手段に陥っている。ここ何十年も新聞の政治部からは、政治家が進退を決しなければならないようなスクープは出ていない。権力をチェックするどころか、すっかり癒着しているのだから当たり前だ。

著者は、NHK記者や鳩山邦夫事務所を経て、ニューヨーク・タイムズの特派員として5年間勤務した経験から、彼我の違いを指摘している。というよりも、海外メディアやフリージャーナリストを政府の記者会見から閉め出している「記者クラブ」に激怒しているのである。

「記者クラブ」のこうした閉鎖的な体質がオーソライズされたのは、それほど昔のことではないらしい。1978年、日本新聞協会の編集委員らが、記者クラブに対する「見解」を変更したことでその性質が一変したのだ。「その目的はこれを構成する記者が、日常の取材活動を通じて相互の啓発と親睦をはかることにある」(日本新聞協会)。「取材活動を通じて」の一文によって、記者クラブは親睦団体から取材拠点へと変わったらしい。

学生時代に中野区に住んでいた頃、近所に新聞社の旗を立てた黒塗りのハイヤーが連日停車するようになった。ある日、テレビのニュース番組で業務上横領が疑われた大物経済人の邸宅が近所にあることがわかった。彼が逮捕されるまでの数週間、2~3社が24時間体制で邸宅を見張っていた。ハイヤーの運転手達は40~50代。後部座席でふんぞり返っていたのは、ほとんどが20代の駆け出し記者達だった。新聞記者というのは若くても大層なご身分だと感心したものだ。日本の大新聞社の若手記者が、大企業の重役並みに黒塗りのハイヤーで移動するのを見ると、海外のジャーナリストたちは腰を抜かすほど驚くらしい。

テレビの報道番組では、元新聞記者の「政治評論家」や現役の政治部長が訳知り顔で政局を解説することが多い。彼らはしばしば「世論がどう判断するか」と言うが、彼らの言う「世論」とは「マスコミ報道に左右される愚民たちの意見」という程度の認識でしかないのではないか。「世論は操作しうるものだ」という奢りが、そこにあるはずだ。

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昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

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