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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『火山噴火・動物虐殺・人口爆発―20万年の地球環境史』石弘之(歴史新書y002)

火山噴火・動物虐殺・人口爆発


『火山噴火・動物虐殺・人口爆発―20万年の地球環境史石弘之(歴史新書y002)

本書は、「環境史」の啓蒙書である。環境史とは、「20万年におよぶ人類史のなかで、人類が自然環境をどう改変し、その結果人類はどのような影響を被ったのかを、時間・空間的に追求する学問領域」だそうだ。

本書では、人類がマンモスのような大型獣を食べつくし、農業によって森林を破壊すると共に森林で暮らす動物たちを根絶させ、水生生物を含むさまざま生物たちを絶滅させ、それが現在も続いていることが繰り返し描かれている。人類の歴史は、自然への暴虐の歴史でもある。

しかし、自然環境が蓄えたエネルギーの収奪がなければ、現在のような文明は発展しなかったはずであり、人類は生物の覇者となることもなかった。自然環境の暴虐こそが人類発展の根源であったことも事実だ。

もちろん暴虐は、同じ人類に対しても向けられた。ヨーロッパの国々による植民地支配によって根絶させられた民族も少なくない。植民地支配そのものが、自然資源の枯渇したヨーロッパの国々が自然資源の新たな略奪の地を求めるために計画されたことだったからである。

イギリスはもちろん、フランスやイタリア、スイスさえも森林を根絶やしにすることで発展してきた。牛や羊の放牧を行っていた頃は、森が完全に破壊されることはなかったが、穀物を餌として与えなければならない豚の飼育を始めると、冬場の餌不足を補うためにドングリを食べさせる目的で豚を放牧するようなる。豚はドングリだけではなく、若木まで食べてしまうため森林は再生産されなくなった。

著者は、「ヨーロッパの思想」などと胡乱な書き方で、キリスト教の名前を挙げることを注意深く避けている。しかし、キリスト教は、自然は人間の開発のために存在すると教えている。自然からどれほど収奪しても、一切の罪を感じずにすむ教えなのである。

さらに、火山噴火による大量の火山灰とエアロゾルによって、数年単位での寒冷化が地球規模で発生し、飢餓が繰り返されたことが書かれている。

人間と自然のかかわり方について、こうした「告発調」の記述が続き、途中でうんざりしてくる。というのも、誰でも知っているような歴史を繰り返し語るばかりで、そこからは現代に生きる我々が学ぶべき知恵のかけらも提示されないからだ。

「あとがき」では、一線を離れた研究者が専門分野の歴史を書くことになぞらえて本書を執筆することにした、と書かれている。続いて、現在は人類誕生以来の最大の危機、とまともな研究者ならば決して使わないような大げさな表現で危機感を煽ろうとしている。「百尺竿頭上にある」はデマゴーグの常套句だ。眉に唾しておこう。

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