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昼食難民の新書生活

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『中国の地下経済』富坂聰(文春新書 771)

中国の地下経済


『中国の地下経済』富坂聰(文春新書 771)

本書によれば、「およそ中国で暮らしている者であれば、地下経済とまったく関係なく生きている者などいない」(p.8)という。

例えば、役人には「灰色収入」と呼ばれる賄賂に近い裏収入がある。民間企業や個人からの賄賂はもちろんだが、官官接待も少なくない。北京には、地方自治体の事務所が1万もあるという。そのうちの1つが購入した770本の高級マオタイ酒が偽物だったために、販売した会社の幹部が逮捕される事件が起こっている。また、中国には「中華」という1箱57元(750円)の高級タバコがあるが、実は1カートン約28000円の「黄鶴楼」や1カートン約32200円の「紅河-道」という超高級タバコもあるという。ここまで高価だと自分で吸う人は少ない。もちろん、贈り物として役人に渡すためのタバコである。受け取った方ももちろん吸うわけではない。北京をはじめ中国各地には「回収煙酒」という看板を掲げている商店がある。こうした店では、贈り物の酒や煙草を持ち込めば、定価の7~8割で買い取ってくれるという。

リーマンショック後の金融危機に対して、中国政府は約54兆円の景気対策を早々と実行し、世界に先駆けて経済の立ち直しに成功した、といわれる。しかし、この対策は国営企業に対する融資が中心だったため、日本では考えられないほどの経済格差を生んでいるらしい。

本題の地下経済とは、地下金融のことである。中国の銀行は個人や中小企業を融資の相手にしないため、無尽講のような個人経営の金融機関が発達している。銀行員は国家公務員だから、不良債権化しやすい個人や中小企業には融資をせずに、安全な国有企業にしか融資をしないためである。国内での融資はもちろん、海外送金サービスも行っている。実は、中国に進出している日本の中小企業の中には、こうした地下銀行を利用して送金しているところもあるらしい。

そして、こうした地下経済はネットワークを通じて数億ドル単位の資金を投資しているらしい。中国ではアンダーグランドマネーの範疇を大きく逸脱した、広大な経済ネットワークが築き上げられているのだ。その規模は、中国の正規のGDPの半分に及ぶという。もちろん、中国が公式に発表している経済指標には地下経済は含まれていない。

しかし、もはや地下経済なくしては、中国の社会と経済は成り立たなくなっている。そして、北京政府もこれまでその存在を否定しきた地下経済を認めようとしているのだという。もちろん、税金を取り立てるためである。

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