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昼食難民の新書生活

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『「つながり」を突き止めろ―入門! ネットワーク・サイエンス』安田雪(光文社新書 485)

「つながり」を突き止めろ


『「つながり」を突き止めろ―入門! ネットワーク・サイエンス安田雪(光文社新書 485)


ある企業のネットワーク責任者に聞いたことがあるが、社内メールのログには事務連絡だけでなく、社内闘争や不倫といった決して他言できない恐ろしくドロドロの内容が残っているらしい。携帯メールではなく、そんな危険な内容を社内メールで送信する図太さには呆れるしかない。

本書は、911の犯人をCIAが事前に補足しながら、アラブゲリラのネットワークを探索するために泳がせていたエピソードから、社内メールログの分析による社内人間関係の解析、mixiのマイミクを分析して迫った「友達」や「知り合い」の生成論、伝染病の広がり方などネットワーク・サイエンスの最新情報が紹介されている。

人は誰でも他者との関係によって存在している。

人間の行為や嗜好、信条を決定するのは、性別や年齢、生まれついての傾向などではない。学歴や出身地でもない。それは、その人が誰と共に過ごしたか、誰に取り囲まれているか。誰に影響をうけるか。誰に影響を与えようとしているのか。すなわちその人を取り囲むネットワークなのだ。これが、ネットワーク分析の哲学である。(p.29)

だから、たとえニートとして引き込もっていても、他者と関わらずに生きるのは難しい。

というのも、個人のアイデンティティにはネットワーク・アイデンティティが含まれるからである。

ネットワーク・アイデンティティは、社会意識が芽生えた後に、出会い関わってきたすべての他者との相互作用の結果として、形作られたその人の唯一の固有性である。ネットワーク・アイデンティティこそが、その人の行動や思考を形作り発動させる。(p.42)

他者との関係によってのみ個人は成立し、関わり方の違いが個性と呼ばれるものになっている。

パンデミック研究にもネットワーク研究は不可欠だという。なぜなら、われわれは人間関係の広がりについて何も知らないからだ。

人々の連なり方、接触や交流状況に対する理解が不足し、情報が足りないことが、感染症の制御をよけい困難にしているのだ。(p.181)

2009年、メキシコに端を発した新型インフルエンザ騒動では、成田空港などで大騒ぎの防疫体制をとったにも関わらず、あっさり高校生の間で流行したことは記憶に新しい。

著者はmixiの分析で、一部の勝ち組が他のたくさんの他者とつながっていて、大多数は負け組としてごく一部の他者としかつながれない「スケールフリー性」を証明している。

ところで、本書のタイトルはなぜ「つきとめろ」と命令形なのか。「つきとめる」や「つきとめた」といった、あるいは「つきとめよう」といった勧誘・決意でも良かったのではないか。命令形にしなければならなかったのは、ネットワーク分析に対する著者の決意表明であり、強迫観念でもあるようだ。だから、本書では「ネットワーク分析の女王」として「一生を捧げる」というような表現を用いている。

著者によれば、社会学と統計物理学の結婚がネットワーク・サイエンスという発展途上にある新しい学問を発展させているようだ。


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