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昼食難民の新書生活

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『ヒトの進化 七〇〇万年史』河合信和(ちくま新書 879)

ヒトの進化 七〇〇万年史


『ヒトの進化 七〇〇万年史』河合信和(ちくま新書 879)

ヒトの進化といえば、北京原人やジャワ原人、アウストラロピテクスくらいしか思い浮かばなかったが、その歴史はここ数十年の調査・研究で著しく書き替えられているようだ。

かつて、ヒトの進化は「猿人→原人→旧人→新人」と1本の線のように進んだと教えられた。しかし、もはやこの考え方は通用しないという。例えば、つい1万数千年前までインドネシアのフローレンス島に猿人が生息していたことが、2004年10月の『サイエンス』に発表された。身長1メートル、脳容積はたった400ccという従来の古人類学を書き替えなければならない大発見だった。1万数千年といえば、もちろん現生人類(ホモ・サピエンス)が生きていた時代だ。また2010年3月には、シベリアで104万年前にヒトの祖先から分かれたデニーソヴァ人が発見されたと報道された。つまり、ヒトは同時に複数の種が生存していて、最後まで残ったのがホモ・サピエンスに過ぎないことがわかったのである。

著者は、何度も「これまで現れては消えた人類全体を300片ほどのジグソーパズルに喩えると、我々は未だそのうちの30片ほどのピースしか手に入れていない」と書いている。しかし、全体像はまだまだ見えないので、300片どころか3000片かもしれない。新たな化石の発見で、ヒトの進化は大きく書き替えられる可能性があるのだ。

著者は元記者なので、明快な文章で読みやすい。しかし、本書の構成に関して疑問がある。700万年前の猿人であるサヘラントロプス・チャデンシスや450万年前の猿人であるラミダス属の解説から、アファール猿人、ホモ属へと年代順にその発掘史を綴っているが、「あとで説明するが……」という記述が相次いで読みにくい。また、紹介が詳細すぎてほとんど趣味的な記述になっている部分もある。いったいこれを誰に読んでほしいのか、と感じたことも少なくない。

また、「ヒトの進化」というタイトルだが、進化における形態的な変化や進化の要因などについての記述は多くはない。本書は、正確に言えば「ホミニン(ヒト亜科)の発掘史」と呼ぶべき内容になっている。ただし、看板が違っても面白さを減じるものではない。考古学者や古人類学者、化石ハンターたちが互いに競争し、出し抜きあったりする人間模様が面白いからだ。

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