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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『私のフォト・ジャーナリズム―戦争から人間へ』長倉洋海(平凡社新書 558)

私のフォト・ジャーナリズム


『私のフォト・ジャーナリズム―戦争から人間へ長倉洋海(平凡社新書 558)

本書は長倉洋海が、フォト・ジャーナリストを目指す若者向けに書いた自伝的フォト・ジャーナリスト入門というべき内容になっている。もちろん、フォト・ジャーナリストを目指さない人々にもお薦めだ。

本書を読んで驚くのは、長倉が率直で正直に心境や考えを記述していることだ。1952年生まれなので、今年で58歳になっているはずだが、まるで子どもが書いたように瑞々しい文章である。この人は嘘や駆け引きといったこととは無縁かもしれないと思えるほどだ。だからこそ、長倉は世界各地で現地の人々に信用され、その生活に入り込んで撮影することができたのだろう。

当然のことながら、撮る側と撮られる側の関係についても自問しながら撮影を続けたことも語られる。撮影対象が弱者の場合には、好むと好まざるとにかかわらず撮影者は強者になるからだ。撮影されたくない対象者を「報道」という御旗で撮影することは、さらなる苦しみを与えることになる。そうした弱者の痛みをも抱えつつ撮影しなければならないことはある。

長倉といえば、アフガニスタンの軍人・政治家アフマド・シャー・マスードの写真で知られているが、本書ではマスードとの出会いから詳しく述べられ、交流を深める中で垣間見たマスードの素顔を紹介している。さらに、マスードが9・11の2日前にマスコミを装ったアラブ系テロリストの自爆テロによって亡くなった経緯についても紹介している。世界貿易センター崩落のニュースが氾濫する中で、アフガニスタン北部同盟の司令官だったマスードの死のニュースは小さな扱いだったが、9・11とマスードの暗殺に関連があることを明らかにしている。

読んでいて「あっ」と思わず声が出た箇所が1つあった。「戦死」が「戦士」という誤植になっていたからだ。しかも、マスードとの交流を振り返る場面で、行動を共にした多くの戦士が亡くなったという部分だった。手書き原稿を活版や写真植字(写植)で活字にしていたころには、驚くほど多くの「誤植」がある本も少なくなかった。ところが、ワープロ原稿やパソコン原稿のデジタルデータとして出版社に渡され、印刷会社の「植字工」や「写植オペレータ」という第三者を介さなくなったことで、最近は誤植がめっきり少なくなっている。それでも、1冊に1つや2つの誤植はあっても驚かない。しかし、この誤植はひどい。感動的なくだりが台無しになってしまっている。担当編集者は何をやっていたのか。残念でならない。

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